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ハンガリー人事​・労務最新ニュース


ハンガリーの乳業セクターを牽引するトルナテイ(Tolnatej)社は、総額2,610万ユーロ(約42億円)に及ぶ新規投資プロジェクトを発表した。同社は拠点であるセクサールドに完全自動化された最新鋭のホエイプロテイン加工工場を建設し、成長著しいスポーツ栄養学および特殊食品市場への本格参入を果たす。


国内初導入の技術で「副産物」を「高付加価値商品」へ

今回の投資の核となるのは、これまでハンガリー国内では活用されていなかった高度な精製技術の導入だ。チーズ製造の過程で発生する副産物である「ホエイ(乳清)」を、付加価値の高いホエイプロテイン・コンセントレート(WPC)やアイソレート(WPI)へと加工する。

新工場は1日あたり約80万リットルのスイートホエイを処理する能力を持ち、自動化された生産ラインと大規模な倉庫を備える。これにより、同社は従来の乳製品メーカーから、グローバルな需要が見込まれる高機能性原料サプライヤーへとポートフォリオを拡大し、輸出競争力を大幅に強化する狙いだ。


供給網の維持と地域経済への貢献

50年以上の歴史を持つ完全ハンガリー資本のトルナテイ社は、年間約2億6,000万リットルの生乳を国内農家のみから調達している。

  • 雇用維持: 直接雇用者数は約500名にのぼる。

  • サプライチェーン: 国内100以上の酪農家に対し、安定した市場機会を提供し続けている。

  • 産業の統合: 将来的には他社のホエイも受け入れることで、ハンガリー乳業全体のハブとしての役割も期待される。


サーキュラーエコノミーとエネルギー戦略

今回のプロジェクトは、環境負荷を低減する「サーキュラーエコノミー(循環型経済)」の原則に則って設計されている。また、エネルギー自給率の向上を目的に、3,153kW規模の太陽光発電施設の設置も計画。これにより、同拠点の電力需要の約17%を再生可能エネルギーで賄う方針だ。


展望:ハンガリー製造業の高度化

低付加価値な原材料の輸出から、高度な技術を要する加工製品の生産へ。トルナテイ社のこの決断は、近年のハンガリー経済が目指す「再工業化」と「高付加価値化」を象徴する動きと言える。世界的なプロテイン市場の拡大を背景に、セクサールドから発信される新たな輸出戦略の行方に注目が集まっている。

(1EUR=183JPY)










ハンガリー・コマーロム拠点、包装能力を約18%増強

ハンガリー北西部のコマーロムに拠点を置く医薬品企業マイラン・ハンガリー(Mylan Hungary Kft.)は、約1,633万ユーロ(約26億円)の投資を実施し、包装および品質管理体制を強化する。

同社は米製薬大手Viatris(ヴィアトリス)グループの一員で、欧州における医薬品包装および品質管理ネットワークの中核拠点の一つ。錠剤やカプセルの包装を主力とするほか、EU域内でも最大級の医薬品試験・市場承認ラボを擁する。

今回の投資により、年間包装能力は1億4,000万ユニットから1億6,500万ユニットへと約18%増加する見込み。生産効率の向上とともに、医薬品供給の迅速性と安定性の改善が期待される。

また、開発に伴い12人の新規雇用を創出し、主に生産および品質管理部門での人材需要が見込まれる。

同拠点の生産の大半は西欧向け輸出であり、ハンガリーの輸出競争力強化に寄与するとともに、欧州全体の医薬品供給網の安定化に重要な役割を果たしている。

さらに、今回の投資には太陽光発電システムおよびヒートポンプの導入が含まれ、省エネルギー化と環境負荷低減を推進。持続可能性への対応も進める。

ハンガリーの医薬品産業は、同国経済の中でも成長性と技術革新性の高い分野の一つとされる。コマーロム拠点の強化は、同国の欧州医薬品供給網における地位向上と競争力維持に寄与するとみられる。



ハンガリー中央統計局(KSH)が発表した最新の労働市場統計によると、同国の雇用情勢は当初の予測を上回るペースで悪化しており、企業の採用意欲の減退が浮き彫りとなっている。

◉失業率が4.6%に上昇、雇用の質に変化

直近の統計(2025年11月~2026年1月期)において、ハンガリーの失業率は4.6%に達し、2024年秋以来の高水準を記録した。就業者数は前年同期比で約6万8,000人減少し、462万8,000人となっている。これは2021年5月以来の低水準であり、ING銀行などの専門家は、企業が賃金コストの上昇圧力に対し、想定よりも早く人員調整で対応し始めた可能性を指摘している。

◉2026年最低賃金の大幅引き上げと企業の苦悩

ハンガリー政府は2026年1月1日より、最低賃金を前年比11%引き上げ、月額32万2,800フォリント(約15万円)とする措置を断行した。また、専門技能を要する労働者のための「保証最低賃金」も7%引き上げられ、37万3,200フォリントとなっている。

政府は4月に控える総選挙を意識し、消費刺激策として大幅な賃上げを推進しているが、経済成長の停滞とエネルギーコストの再上昇に直面する中小企業からは、「5%程度の引き上げが限界」との悲鳴も上がっている。

◉2026年ハンガリー労務データの概要

項目

内容(2026年3月現在)

月額最低賃金

322,800 HUF(前年比+11%)

保証最低賃金(技能職)

373,200 HUF(前年比+7%)

失業率

4.6%(前年同期比 +0.3ポイント)

就業者数

462.8万人(前年同期比 -6.8万人)

主な課題

賃金上昇に伴うインフレ懸念、労働力不足と失業増のミスマッチ

◉今後の展望:グリーン転換と自動化が鍵

労働市場の逼迫(タイトさ)は依然として続いており、専門家の予測では、企業は生き残りのために「デジタル化」や「自動化」への投資を加速させると見られている。また、持続可能な技術分野(グリーンタレント)への需要は爆発的に増加しており、労働市場の二極化が進む1年になると予想される。

投資家や現地進出企業は、4月の総選挙に向けた政府の追加的な財政出動や、最低賃金契約の再交渉の可能性を注視する必要がある。

(1HUF=0.47JPY)

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