2026/2/22 ホワイトカラー市場、緩やかな回復も求人数は低迷
- 17 時間前
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ハンガリーの労働市場において、専門職や管理職を指す「ホワイトカラー」部門の停滞が鮮明になっている。経済全体に回復の兆しは見られるものの、企業側の採用意欲は依然として慎重であり、求人数の減少が求職者にとって大きな壁となっている。
回復の足取りは重く
最新の市場データによると、ハンガリー経済は緩やかな回復基調にあるが、それが直接的な雇用創出には結びついていない。インフレの影響やエネルギーコストの変動を背景に、多くの企業が固定費の削減を優先しており、新規採用よりも既存組織の効率化を重視する傾向が続いている。
「狭き門」となったホワイトカラー職
特に顕著なのが、中堅以上の管理職や専門的な事務職における求人数の減少だ。数年前までの「売り手市場」は影を潜め、限られたポジションに対して多数の候補者が殺到する状況が生じている。
業界関係者は、「企業は現在、即戦力かつ複数の役割をこなせる人材を厳選している」と指摘する。かつての積極的な拡大路線から、現在は「守りの採用」へとシフトしており、これが市場の流動性を低下させる要因となっている。
今後の展望
専門家は、今後の鍵を握るのは「外資系企業の動向」と「賃金上昇率の安定化」であると分析している。ハンガリーは依然として欧州におけるビジネスプロセスの拠点としての魅力を持っているが、近隣諸国との競争も激化している。
求職者にとっては、スキルセットの再定義や、デジタル変革(DX)に対応した能力の証明が、かつてないほど重要視される局面を迎えている。ホワイトカラー市場が本格的な活気を取り戻すには、もうしばらくの時間が必要というのが市場の共通認識だ。
セクター別では、ITや金融アドバイザリーなどの知識集約型産業が引き続き賃金ランキングのトップを維持した。IT分野のシニア専門職では、月額総支給額が250万フォリント(約100万円)に達するケースもみられた。また、エンジニアリングや財務(オートメーションエンジニア、戦略コントローラー、税務アドバイザー等)の専門職は、月額100万〜180万フォリントが一般的な相場となっている。
ホワイトカラー全体の平均賃金は、前年比で8.5〜10%上昇した。フルタイム従業員の平均月給は69万〜72万フォリント(約28万〜30万円)となり、2024年の約64万6800フォリントから一段切り上がった形だ。
労働市場の構造変化も顕著だ。長らく続いた「ブダペスト一極集中」の時代が終焉を迎えつつある。東部ハンガリーでの産業開発が活発化したことで、地方の賃金上昇率が首都を上回る逆転現象も発生。東部では経験豊富なミドルマネジャーへの需要が急増する一方、西部国境付近では隣国オーストリアの労働市場との引き合いが、引き続き賃金押し上げ圧力となっている。
一方で、トランスダヌビア地方のショモジ、トルナ、ヴァシュなど複数の県では、企業の4分の1以上が欠員補充に苦慮しており、地域的なミスマッチも深刻だ。
働き手の意識も変容している。2025年において、柔軟な働き方はもはや福利厚生ではなく「必須要件」となった。WHCの調査によれば、リモートワーク枠を大幅に縮小した企業では、給与水準に関わらず離職率が急増した。ハイブリッド勤務が可能であれば、居住する県以外での就職を厭わない労働者が35〜40%に達しており、企業の透明性や真のキャリア開発環境が、選ばれる企業の条件となっている。
専門家は次のように分析する。「昨年の労働力囲い込みは、将来の回復に対する企業の信頼の表れだ。2025年の市場は成熟し、意識の高いフェーズに入った。2026年は、単に人を『探す』のではなく、個々の能力に着目し、リテンション(定着)を最適化できる組織が競争優位に立つだろう。完璧な候補者を待つのではなく、育成可能な人材を見極め、長期的に安定して機能するチームを構築できるかが鍵となる」
(1HUF=0.48JPY)

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