top of page

Hungary ​Newest HR Information
ハンガリー人事​・労務最新ニュー

2026/2/21 2026年度 ハンガリー労働市場における賃金動向レポート

2月21日
読了時間: 3分

― 雇用主の慎重姿勢と従業員期待の乖離 ―

1. エグゼクティブ・サマリー

2026年のハンガリー労働市場は、雇用主側が前年度に比べ保守的な賃金計画を策定していることが明らかとなった。求人サイトの調査(企業449社、個人1,000人対象)によれば、賃上げ予定企業の割合および昇給率はいずれも下落。一方で、インフレ背景による従業員側の改善期待は依然として高く、労使間の認識ギャップが拡大している。


2. 雇用主側の動向:慎重なリソース配分

企業側は、マクロ経済の不透明感や法定コストの上昇を受け、給与調整に対して抑制的なアプローチをとっている。

  • 実施計画の減退: 本年の賃上げ予定企業は55%に留まり、前年(2025年)の約3分の2(約66%)から大幅な低下を見せている。

  • 平均昇給率の鈍化: 予定される平均昇給率は前年の8%から7%へと1ポイント減少した。

  • 意思決定の動機:

    • 生活費補填(67%): 依然として物価上昇への対応が最大の動機。

    • 最低賃金改定(40%): 昨年末の最低賃金引き上げが、予算計画の再考を迫る直接的な要因となっている。

    • 経済連動(約25%): 給与動向を広範な経済指標と連動させる企業が一定数存在する。


3. 従業員側の意識:高止まりする期待と不信感

生活コストの増大を背景に、従業員側は報酬パッケージの拡充を強く求めているが、その充足度には懐疑的である。

  • 改善への期待値: 回答者の82%が、昇給や福利厚生を含む報酬改善を見込んでいる。

  • 昇給額の予想分布: 昇給を期待する層のうち、約3分の1が「月額2万フォリント(純増)」、さらに3分の1が「2万〜5万フォリント」を予想。

  • 期待と現実の乖離: 従業員の70%(10人中7人)が、自身が正当と考える水準よりも実際の昇給額は低くなると予測しており、報酬に対する不満が潜在している。


4. 外部環境および規制の影響

市場の流動性および企業の意思決定には、以下の外部要因が強く関与している。

  • 最低賃金引き上げの波及効果: 法的規制による最低賃金の底上げが、企業の予備計画を大幅に書き換え、他の給与層への配分を圧迫している。

  • EU賃金透明性指令(EU Pay Transparency Directive): 本年より一部企業で遵守準備が開始される。この指令への対応は、中長期的な賃金格差の是正や給与体系の再構築を強いる要因となる。


5. 結論と展望

2025年度の実績(計画60%に対し実施72%)に見られるように、最終的に計画を上回る賃上げが実施される可能性はあるものの、2026年度は「採用と賃上げの両面における警戒感」が支配的である。企業は労働力確保のリテンションコストと、規制遵守に伴う固定費増の間で、極めて戦略的な総労働コスト(Total Rewards)の管理が求められる局面にある。

(1HUF=0.48JPY)

 
 
 

最新記事

すべて表示
2026/08/19 ハンガリー雇用1.34%減、欧州最大の落ち込み 人手不足と雇用縮小が同時進行

欧州の労働市場で雇用の地域格差が鮮明になっている。ブルガリアの金融情報会社BestBrokers.comがまとめた最新調査によると、ハンガリーの就業者数は2026年1~3月期に前年同期比1.34%減少し、調査対象の欧州31カ国で最も大きな減少率となった。就業者の減少人数でも欧州で2番目の規模となった。一方、スペインなど南欧では雇用が拡大しており、欧州では「雇用を増やす国」と「働き手そのものが減少す

 
 
 
2026/07/17 ハンガリー製造業、技能人材不足が成長の制約に

2030年には不足率40%の可能性、熟練者の知識継承も課題 ハンガリーの製造業で、必要な技能を持つ人材の不足が深刻化している。大型の自動車・電池関連投資が相次ぐ一方、設備や技術を実際に運用できる人材の確保が追いつかず、産業競争力を左右する課題として浮上している。 この問題は、企業関係者や専門家が参加したビジネスイベント「Business Fest」の円卓会議で議論された。参加者からは、熟練労働者の

 
 
 
2026/07/06ハンガリー学生アルバイト時給、平均2,180フォリントに

ハンガリーの人材調査機関の調査によると、同国の学生アルバイトの平均時給は今年、税込で2,180フォリントとなり、前年から4.6%上昇した。学生労働者への需要は夏季に集中する従来型から、年間を通じた安定的な採用へと変化している。 同機関によれば、企業は学生を単なる季節的な補助人員ではなく、将来的な人材候補として位置づける傾向を強めている。柔軟な雇用形態により、企業側は人員を機動的に確保でき、学生側も

 
 
 

コメント


Copyright©2022 Humán Centrum Kft. All rights reserved.

bottom of page