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ハンガリー人事​・労務最新ニュース

ハンガリー食肉加工大手のコメタ99(Kometa 99 Zrt.)は、同国南部カポシュバールの拠点を大幅に拡張するため、総額1億1,710万ユーロ(約180億円)に上る大規模な設備投資計画を発表した。この投資により、地域で新たに387人の雇用が創出される見込みだ。

イタリア資本傘下で豚肉の屠畜および加工製品の製造を手掛ける同社は、すでに地元で1,000人を超える従業員を抱える主要企業の一つ。今回の増強により、ハンガリー食品業界におけるプレゼンスをさらに強固なものにする。

生産能力の倍増と最新鋭オートメーションの導入

今回の投資プロジェクトの中核を成すのは、「最先端の屠畜施設の建設」「自動化ソリューションの導入」だ。主な計画内容は以下の通り。

  • 生産体制の強化: 2交代制の導入と最新鋭の高機能機械の設置により、加工能力を劇的に向上させる。

  • 物流・保管機能の拡充: 新たな冷蔵貯蔵施設およびスライス・パッケージング専用エリアを増設。倉庫機能の抜本的な強化を図る。

  • 持続可能性の追求: 最新設備の導入により、生産工程におけるエネルギー効率を改善し、最高水準の食品安全性を確保する。

「ハンガリー産」を世界40カ国へ

コメタ製品は現在、イタリアを筆頭に日本、韓国、中国、カナダなど世界40カ国へ輸出されている。特筆すべきは、原材料となる豚の約8割をハンガリー国内の供給業者から調達している点だ。

同社は国内への再投資を継続的に行うことで、雇用創出だけでなく、ハンガリー食品産業全体の国際競争力とブランド価値の向上に大きく寄与している。

地域社会への貢献と「2030年」へのビジョン

また、同社は人材育成と地域振興にも注力している。

  • 教育支援: 二重職業訓練プログラム(Dual Vocational Training)を通じて10名の学生を雇用。ハンガリー投資促進庁(HIPA)のサプライヤー開発プログラムにも参画し、戦略的な人材育成を進める。

  • 健康都市の実現: 2022年より地元バスケットボールチームのタイトルスポンサーを務める同社は、「2030年までにカポシュバールをハンガリーで最も健康な街にする」という目標を掲げ、全世代への意識改革を推進している。

ハンガリー食品産業の安定成長

HIPAの統計によると、2014年から2025年にかけて、ハンガリーの食品産業では総額42億ユーロ、295件のプロジェクトが採択された。これにより、累計9,500件以上の新規雇用が創出されたほか、既存の約5万件の雇用維持にも成功しており、同国の経済安定における食品セクターの重要性が改めて浮き彫りとなっている。

(1EUR=182.57JPY)


ハンガリーの労働市場において、専門職や管理職を指す「ホワイトカラー」部門の停滞が鮮明になっている。経済全体に回復の兆しは見られるものの、企業側の採用意欲は依然として慎重であり、求人数の減少が求職者にとって大きな壁となっている。 


回復の足取りは重く

最新の市場データによると、ハンガリー経済は緩やかな回復基調にあるが、それが直接的な雇用創出には結びついていない。インフレの影響やエネルギーコストの変動を背景に、多くの企業が固定費の削減を優先しており、新規採用よりも既存組織の効率化を重視する傾向が続いている。 


「狭き門」となったホワイトカラー職

特に顕著なのが、中堅以上の管理職や専門的な事務職における求人数の減少だ。数年前までの「売り手市場」は影を潜め、限られたポジションに対して多数の候補者が殺到する状況が生じている。

業界関係者は、「企業は現在、即戦力かつ複数の役割をこなせる人材を厳選している」と指摘する。かつての積極的な拡大路線から、現在は「守りの採用」へとシフトしており、これが市場の流動性を低下させる要因となっている。


今後の展望

専門家は、今後の鍵を握るのは「外資系企業の動向」と「賃金上昇率の安定化」であると分析している。ハンガリーは依然として欧州におけるビジネスプロセスの拠点としての魅力を持っているが、近隣諸国との競争も激化している。

求職者にとっては、スキルセットの再定義や、デジタル変革(DX)に対応した能力の証明が、かつてないほど重要視される局面を迎えている。ホワイトカラー市場が本格的な活気を取り戻すには、もうしばらくの時間が必要というのが市場の共通認識だ。

セクター別では、ITや金融アドバイザリーなどの知識集約型産業が引き続き賃金ランキングのトップを維持した。IT分野のシニア専門職では、月額総支給額が250万フォリント(約120万円)に達するケースもみられた。また、エンジニアリングや財務(オートメーションエンジニア、戦略コントローラー、税務アドバイザー等)の専門職は、月額100万〜180万フォリントが一般的な相場となっている。

ホワイトカラー全体の平均賃金は、前年比で8.5〜10%上昇した。フルタイム従業員の平均月給は69万〜72万フォリント(約33万〜35万円)となり、2024年の約64万6800フォリントから一段切り上がった形だ。

労働市場の構造変化も顕著だ。長らく続いた「ブダペスト一極集中」の時代が終焉を迎えつつある。東部ハンガリーでの産業開発が活発化したことで、地方の賃金上昇率が首都を上回る逆転現象も発生。東部では経験豊富なミドルマネジャーへの需要が急増する一方、西部国境付近では隣国オーストリアの労働市場との引き合いが、引き続き賃金押し上げ圧力となっている。

一方で、トランスダヌビア地方のショモジ、トルナ、ヴァシュなど複数の県では、企業の4分の1以上が欠員補充に苦慮しており、地域的なミスマッチも深刻だ。

働き手の意識も変容している。2025年において、柔軟な働き方はもはや福利厚生ではなく「必須要件」となった。WHCの調査によれば、リモートワーク枠を大幅に縮小した企業では、給与水準に関わらず離職率が急増した。ハイブリッド勤務が可能であれば、居住する県以外での就職を厭わない労働者が35〜40%に達しており、企業の透明性や真のキャリア開発環境が、選ばれる企業の条件となっている。

専門家は次のように分析する。「昨年の労働力囲い込みは、将来の回復に対する企業の信頼の表れだ。2025年の市場は成熟し、意識の高いフェーズに入った。2026年は、単に人を『探す』のではなく、個々の能力に着目し、リテンション(定着)を最適化できる組織が競争優位に立つだろう。完璧な候補者を待つのではなく、育成可能な人材を見極め、長期的に安定して機能するチームを構築できるかが鍵となる」

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― 雇用主の慎重姿勢と従業員期待の乖離 ―

1. エグゼクティブ・サマリー

2026年のハンガリー労働市場は、雇用主側が前年度に比べ保守的な賃金計画を策定していることが明らかとなった。求人サイトの調査(企業449社、個人1,000人対象)によれば、賃上げ予定企業の割合および昇給率はいずれも下落。一方で、インフレ背景による従業員側の改善期待は依然として高く、労使間の認識ギャップが拡大している。


2. 雇用主側の動向:慎重なリソース配分

企業側は、マクロ経済の不透明感や法定コストの上昇を受け、給与調整に対して抑制的なアプローチをとっている。

  • 実施計画の減退: 本年の賃上げ予定企業は55%に留まり、前年(2025年)の約3分の2(約66%)から大幅な低下を見せている。

  • 平均昇給率の鈍化: 予定される平均昇給率は前年の8%から7%へと1ポイント減少した。

  • 意思決定の動機:

    • 生活費補填(67%): 依然として物価上昇への対応が最大の動機。

    • 最低賃金改定(40%): 昨年末の最低賃金引き上げが、予算計画の再考を迫る直接的な要因となっている。

    • 経済連動(約25%): 給与動向を広範な経済指標と連動させる企業が一定数存在する。


3. 従業員側の意識:高止まりする期待と不信感

生活コストの増大を背景に、従業員側は報酬パッケージの拡充を強く求めているが、その充足度には懐疑的である。

  • 改善への期待値: 回答者の82%が、昇給や福利厚生を含む報酬改善を見込んでいる。

  • 昇給額の予想分布: 昇給を期待する層のうち、約3分の1が「月額2万フォリント(純増)」、さらに3分の1が「2万〜5万フォリント」を予想。

  • 期待と現実の乖離: 従業員の70%(10人中7人)が、自身が正当と考える水準よりも実際の昇給額は低くなると予測しており、報酬に対する不満が潜在している。


4. 外部環境および規制の影響

市場の流動性および企業の意思決定には、以下の外部要因が強く関与している。

  • 最低賃金引き上げの波及効果: 法的規制による最低賃金の底上げが、企業の予備計画を大幅に書き換え、他の給与層への配分を圧迫している。

  • EU賃金透明性指令(EU Pay Transparency Directive): 本年より一部企業で遵守準備が開始される。この指令への対応は、中長期的な賃金格差の是正や給与体系の再構築を強いる要因となる。


5. 結論と展望

2025年度の実績(計画60%に対し実施72%)に見られるように、最終的に計画を上回る賃上げが実施される可能性はあるものの、2026年度は「採用と賃上げの両面における警戒感」が支配的である。企業は労働力確保のリテンションコストと、規制遵守に伴う固定費増の間で、極めて戦略的な総労働コスト(Total Rewards)の管理が求められる局面にある。

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