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2026/08/19 ハンガリー雇用1.34%減、欧州最大の落ち込み 人手不足と雇用縮小が同時進行

  • 1 日前
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欧州の労働市場で雇用の地域格差が鮮明になっている。ブルガリアの金融情報会社BestBrokers.comがまとめた最新調査によると、ハンガリーの就業者数は2026年1~3月期に前年同期比1.34%減少し、調査対象の欧州31カ国で最も大きな減少率となった。就業者の減少人数でも欧州で2番目の規模となった。一方、スペインなど南欧では雇用が拡大しており、欧州では「雇用を増やす国」と「働き手そのものが減少する国」の二極化が進んでいる。高齢化や国外への人口流出、景気の弱含みを背景に、中東欧では人材不足と雇用縮小が同時に進む構図が浮かび上がる。


ハンガリー、減少率欧州最大

2025年1~3月期から26年1~3月期にかけ、ハンガリーの就業者数は1.34%減った。減少率では欧州31カ国中最大だった。同様の傾向は中東欧・南東欧にも広がる。トルコは1.32%減、セルビアは1.14%減、スロバキアは0.98%減、スロベニアは0.93%減となった。BestBrokersは背景として、人口の高齢化や若年・現役世代の国外流出、経済成長の鈍化などを挙げる。もともと労働人口が縮小している国では、人材確保が今後さらに難しくなる可能性がある。

人数ベースではトルコの減少が最大だった。2025年1~3月期からの1年間で就業者が39万2000人減少した。ドイツの3万2000人減、イタリアの2万4000人減、スロバキアの2万5000人減を大幅に上回る。

南欧では57万人超の雇用増 対照的に雇用拡大をけん引したのは南欧だった。スペインでは1年間で就業者が43万人増加。ポルトガルが8万2000人、ギリシャが3万4000人、クロアチアが1万6000人、キプロスが1万2000人増えた。5カ国を合わせた増加数は57万4000人に達した。従来、南欧は高失業率や低い労働参加率が課題とされてきたが、足元では欧州の雇用増を支える地域へと変化している。

BestBrokersは欧州統計局(Eurostat)の雇用統計と、欧州雇用サービス(EURES)の求人データを組み合わせて分析した。求人については2025年4月1日から26年3月31日までにEURESへ掲載された情報を集計し、国別の求人数や職種別の人材需要を調べた。


11カ国で就業率80%超 

欧州全体の雇用環境は依然として高水準にある。調査によると、就業率が80%を超えた国は11カ国に上った。首位はマルタの83.4%、次いでオランダが83.3%、チェコが82.8%だった。欧州連合(EU)平均は76.3%だった。一方、最も低かったのはトルコで57.3%。北マケドニアが64.4%、イタリアが68.0%、ルーマニアが68.8%と続いた。

ただ、就業率の高さだけでは労働市場の健全性を測れない。EU機関の欧州生活労働条件改善財団(Eurofound)の別の調査では、EU域内の仕事の18.8%が、所得水準や雇用の安定性、労働者の権利などの面で「脆弱な仕事」に分類される可能性があるという。雇用の「量」に加え、「質」も欧州の課題になっている。


求人1000万件超、人は足りず 

欧州企業の採用意欲は強い。調査対象期間中に欧州で確認された求人は1000万件を超えた。注目されるのは、就業者が減っている国でも大量の求人が存在することだ。

特にオランダとドイツは前年に比べ就業者数が減少したにもかかわらず、両国を合わせた求人件数は520万件を超えた。人口高齢化や技能を持つ労働者の不足により、「仕事がない」のではなく、「仕事はあるが働く人がいない」という状況が強まっている。求人増加が必ずしも景気の強さを意味せず、企業が必要な人材を確保できていないことの裏返しになりつつある。AI人材より「現場人材」不職種別にみると、欧州で最も需要が大きかったのは技術系労働者で、求人は73万1953件に上った。事務系準専門職が63万33件、金属・機械関連職が59万6701件、機械・設備オペレーターが52万2808件、運転手・車両オペレーターが51万9386件と続いた。

上位職種だけで約300万件に達し、製造業、物流、建設、工業生産など「現場」を支える人材の不足が深刻であることを示している。人工知能(AI)の普及による雇用への影響が注目を集めているが、実際の欧州企業が最も必要としているのは、必ずしも最先端のデジタル人材だけではない。情報通信技術(ICT)専門職の求人は37万5070件だった。これに対し、技術系労働者の求人は約2倍の水準にある。ドイツ、フランス、オーストリア、チェコ、ルーマニアでは技術系労働者が最も求人の多い職種となった。一方、フィンランドではICT専門職の需要が最も高かった。欧州は、既存の製造業基盤を維持するための技能人材と、デジタル化を進めるICT人材の双方を確保しなければならない「二重の人材不足」に直面している。


ハンガリー、サービス職需要はなお強く

ハンガリーでは就業者数が減少する一方、求人市場では個人向けサービス職の需要が強い。スペイン、ポルトガル、マルタ、デンマーク、スロバキア、ハンガリー、アイスランドでは、接客などの「パーソナルサービス従事者」が最も需要の大きい職種となった。観光、宿泊、飲食、消費者向けサービス産業などで人手不足が続いていることを示す。スウェーデン、スイス、ノルウェー、リヒテンシュタインでは、医療・介護専門職への需要が特に高かった。

欧州では国によって不足する人材は異なるものの、「求人はあるが労働者がいない」という問題は共通している。

EU、域外人材の獲得急ぐこうした構造的な人手不足を受け、EUは2026年6月、域外の求職者とEU企業を結びつける「EU Talent Pool(EU人材プール)」を立ち上げた。背景にあるのは、高齢化と技能不足が一時的な景気循環の問題ではなく、欧州経済の成長を制約する長期的な構造問題になりつつあるとの危機感だ。特にハンガリーを含む中東欧では、若年人口の国外流出や人口減少に加え、製造業やサービス業で人材需要が続く。企業側が求人を増やしても、国内の労働人口がそれ以上の速度で縮小すれば採用難は解消しない。今回の調査は、欧州の労働市場が「失業対策」から「人材確保」へと課題の軸を移しつつあることを示している。AIやデジタル化が仕事を奪うとの議論が続く一方、欧州経済が目の前で直面しているのは、工場を動かし、物流を担い、接客や介護を支える「現在必要な人材」の不足だ。ハンガリーにとっても、就業者数の減少を食い止めながら、産業界が必要とする人材をどう確保するかが、今後の経済成長を左右する重要な課題となりそうだ。

 
 
 

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