2026/03/31 ハンガリー乳業大手トルナテイ、2,610万ユーロを投じセクサールドに高付加価値ホエイ(乳清)加工工場を建設
- 3 日前
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ハンガリーの乳業セクターを牽引するトルナテイ(Tolnatej)社は、総額2,610万ユーロ(約42億円)に及ぶ新規投資プロジェクトを発表した。同社は拠点であるセクサールドに完全自動化された最新鋭のホエイプロテイン加工工場を建設し、成長著しいスポーツ栄養学および特殊食品市場への本格参入を果たす。
国内初導入の技術で「副産物」を「高付加価値商品」へ
今回の投資の核となるのは、これまでハンガリー国内では活用されていなかった高度な精製技術の導入だ。チーズ製造の過程で発生する副産物である「ホエイ(乳清)」を、付加価値の高いホエイプロテイン・コンセントレート(WPC)やアイソレート(WPI)へと加工する。
新工場は1日あたり約80万リットルのスイートホエイを処理する能力を持ち、自動化された生産ラインと大規模な倉庫を備える。これにより、同社は従来の乳製品メーカーから、グローバルな需要が見込まれる高機能性原料サプライヤーへとポートフォリオを拡大し、輸出競争力を大幅に強化する狙いだ。
供給網の維持と地域経済への貢献
50年以上の歴史を持つ完全ハンガリー資本のトルナテイ社は、年間約2億6,000万リットルの生乳を国内農家のみから調達している。
雇用維持: 直接雇用者数は約500名にのぼる。
サプライチェーン: 国内100以上の酪農家に対し、安定した市場機会を提供し続けている。
産業の統合: 将来的には他社のホエイも受け入れることで、ハンガリー乳業全体のハブとしての役割も期待される。
サーキュラーエコノミーとエネルギー戦略
今回のプロジェクトは、環境負荷を低減する「サーキュラーエコノミー(循環型経済)」の原則に則って設計されている。また、エネルギー自給率の向上を目的に、3,153kW規模の太陽光発電施設の設置も計画。これにより、同拠点の電力需要の約17%を再生可能エネルギーで賄う方針だ。
展望:ハンガリー製造業の高度化
低付加価値な原材料の輸出から、高度な技術を要する加工製品の生産へ。トルナテイ社のこの決断は、近年のハンガリー経済が目指す「再工業化」と「高付加価値化」を象徴する動きと言える。世界的なプロテイン市場の拡大を背景に、セクサールドから発信される新たな輸出戦略の行方に注目が集まっている。
(1EUR=183JPY)

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